日本のバイク遺産 Z伝 (下)
定価 2,037円(本体 1,852円)
《永久保存版》カワサキの名車「Z」を集大成
Zの歴史を詳細解説した待望の下巻がついに登場!
1981型Z1000-Jから現代までの歴史を網羅
「Bikers Station」再収録
《CONTENTS》
【プロローグ】
フラッグシップ系の空冷Z、年代ごとの燃料タンクのカラーリング
【巻頭特集】
〇歴史解説「カタログとメーカー写真で辿る」1981-1985
〇詳細解説
・1981 Z1000 (Z1000-J1)
・1982 Z1000 (Z1000-J2)
・1982 Z1000R (Z1000-R1)
・1983 Z1000R (Z1000-R2)
・1984-1985 Z1100R (Z1100-R1)
・1982 Z1000S (KZ1000-S1)
・1982 Z1100GP (Z1100-B2)
・1983 GPz1100 (ZX1100-A1)
〇カワサキ空冷4気筒750~1100cc Z年表 1973-1985
〇1981~1985年 カワサキ空冷Zの主要諸元
◎Z外伝 ~その後の空冷750~
・1981 Z750FX-II(Z750E1)
・1983 GPz750(ZX750A1)
・1990 ZEPHYR750(ZR750C1)
・1992 ZEPHYR1100(ZR1100A1)
◎Z 外伝 ~その後の空冷400~
・1982 Z400GP(Z400M1)
・1983 GPz400(ZX400A1) / 1983 GPz550(ZX550A1)& History
・1989 ZEPHYR(ZR400C1) & History
〇詳細解説
・2018 Z900RS (ZR900C)
◎Z外伝 ~水冷エンジンのニューZシリーズ~
・2017 Z1000(ZR1000H) & History
・2018 Z900(ZR900B) & History
・2017 Z250 ABS & History
・2018 Z125 PRO & History
------------------------------------------------
◆Bikers Station 編集長 佐藤康郎◆
カワサキのZ。このシリーズは名作揃いだ。理由は実にシンプル。造った人たちが世界一のオートバイを目指し、それが実現され彼らの熱い思いが、初代のZ1、そしてZ2以降の全車に色濃く感じられるためだ。この血統はGPZ1100まで続く。
その主要モデルのほとんどすべてに、発売当初および後年にわたって複数回乗った体験から自信を持って言えるのは、どのZも、今日走らせて失望することがないということだ。唯一の例外はZ1-Rの操縦性だが、そのスタイルのよさはオートバイ史に残る傑作である。
無論Zはどんどん速くなっていった。富士スピードウェイで行われた試乗会で走らせたGPZ1100は、いとも簡単に250km/hを超えた(同時に走らせた750ターボも同じぐらい速かった)うえ、市街地で流してみると、大きく重い車体を大パワーでゆったりかつ力強く加速させるのがすごく気持ちよかった。
でも、だからといってZ1やZ2の評価が下がるなどということは少しもないのである。Zシリーズのどれもが好ましいからだ。
私は試乗記を書くのを仕事のひとつにしているから、新型と従来型を比べることをよくする。その際、エンジンの出力、ブレーキの利き、コーナリングの速さなどで新型が勝ることは少しも珍しくない。そうしたことを実現するために次世代モデルを開発するのだから当然であろう。しかしながら、それでは新しいほうがすべての面で優れているのかといえば、半分イエス、半分ノーかもしれない。
オートバイの善し悪しは、走りの能力が持つ限界の高さだけで決まるのではないからだ。それ以上に大事なのは、と書いて筆が滞るのは、ひと言では表現できないからなのだが、少なくとも私はこう思う。そのオートバイとともにある時間が、楽しかったり、爽快だったり、ニコニコできるものなのかどうか。
新旧ではなく、そのオートバイを好きになれるかどうかが評価の鍵なのである。もしそうでなかったら、旧車趣味など存在しまい。
この点でいうと、音楽、美術、小説などに近い。この3分野にも新しい技術や技巧が現れるが、それは芸術としての価値と直接関係しない。アイネ・クライネ・ナハトムジークの美しさは、いつの世にも色あせないはずだ。
私は、オートバイをそういう目で見るのが好きだ。もちろん、ライダーひとりひとりが自分なりの評価のし方をすべきであって、ここまでの文章は私個人の考え方である。
さて、カワサキのZである。このシリーズは名作揃いだ。理由は実にシンプル。造った人たちが世界一のオートバイを目指し、それが実現され、彼らの熱い思いが、初代のZ1、そしてZ2以降の全車に色濃く感じられるためだ。この血統はGPZ1100まで続く。
その主要モデルのほとんどすべてに、発売当初および後年にわたって複数回乗った体験から自信を持って言えるのは、どのZも、今日走らせて失望することがないということだ。唯一の例外はZ1-Rの操縦性だが、そのスタイルのよさはオートバイ史に残る傑作である。
無論Zはどんどん速くなっていった。富士スピードウェイで行われた試乗会で走らせたGPZ1100は、いとも簡単に250km/hを超えた(同時に走らせた750ターボも同じぐらい速かった)うえ、市街地で流してみると、大きく重い車体を大パワーでゆったりかつ力強く加速させるのがすごく気持ちよかった。
でも、だからといってZ1やZ2の評価が下がるなどということは少しもないのである。Zシリーズのどれもが好ましいからだ。
ここで蛇足をひとつ。オートバイというマシーンはコンディションによって走りが別物のように上下する。Zに限らず、愛好家の皆さんは質の高い整備を心がけてほしい。
<オンライン書店での購入はこちら>